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【ブラック企業の得意技】長時間労働を憎め! [ブラック企業]

「少子化社会対策大網」が、
2016年3月20日に閣議決定された。

そこでは、2020年までに 「男女がともに仕事時間と生活時間のバランスが取れるように見直す」 と働き方の改革を目指す方針が明記された。

フルタイムの男性従業員のうち、
平日に1日10時間以上働く人の割合は、
1976年の約40年前には2割弱だったが、
現在は4割を超えているのが現状だ。

さらに労働時間は増加傾向にあり、
いまや私生活や育児の時間が脅かされている。

また、首都圏を中心とする通勤時間の長さと
通勤ラッシュの苦労と重なる長時間労働は、
人権侵害に触れるのではないだろうか。
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日本企業特有の長時間労働“信仰”は根深い
日本的雇用慣行の中で、
外国の企業に比べ、
成果や能力よりも、残業時間が多いことで
評価されるという“空気”が確実にある。

会社や経営者に対する忠誠心や帰属意識、滅私奉公が
評価されるという
経営者のごう慢が根底にある。

実際、内閣府が2014年に実施した
「ワーク・ライフ・バランスに関する意識調査」では、
残業時間が長い人ほど上司が評価していると答えた。

早稲田大学の黒田祥子教授と
慶応義塾大学の山本勲教授が
ヨーロッパへの転勤経験のある
大手社員を対象に行った最近の調査がある。

この調査から、
国が変わることで
働き方が大きく変わるという結果が出た。

日本で長時間働いていた人でも、
ヨーロッパ在勤期間は、
労働時間が減少し、
有給休暇の取得日数は大幅に増加した。

多くのヨーロッパ在勤経験者は
「周りがみんな早く帰る環境にいると、
自分も効率的に仕事ができるようになった」と証言する。

「ではその仕事のやり方を帰国後も自社に広めてください」
と黒田教授が言うと、
全員が「それは無理です」と口をそろえたという。

個人がどれだけ
「長時間労働をなくしたい」
「効率的に仕事がしたい」
と願っても、自分一人で変えるのは不可能だと体感している。

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実際、時短勤務制度を利用している
子育て中の女性社員が、
どれだけ効率的に仕事をこなしても、
「早く帰ること」自体に後ろめたさを感じている。

「ワーク・ライフ・バランス」の一環として
「ノー残業デー」を設定している大手企業も少なくない。

しかし、強制的にその日だけ会社を追い出されても、
多くの社員は残った仕事を自宅でこなすか、
明日か前日にしわ寄せがくるだけなのが実状だ。
ここに、この問題の根深さがある。

━「ワーク・ライフ・バランス」とは━
「仕事と生活の調和」と訳される。
もともとは1970年代以降の欧米で、
働きながら子育てをする人や
長時間労働によるストレスで
健康を損ないつつある労働者が増加したことを背景に、
こうした人々に必要なものとして用いられた言葉。

日本では1990年代に、
この概念が一般化し、
会社にとっては時間生産性の向上や
人材の確保などにつながる。

「ワーク・ライフ・バランス」を推進する企業では、
基本となる意識改革のほか、
次のような取り組みを行っている。

(1)所定外労働時間の削減
(2)年次有給休暇取得の促進
(3)キャリアや能力の開発支援
(4)仕事と育児の両立支援
(5)心身のヘルスケア

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早朝勤務を促した伊藤忠商事
伊藤忠商事(株)は2014年から
早朝勤務を促すことで、
労働時間を減らす取り組みを行っている。

2013年秋に実施した試行期間の結果、
総合職1人当たりの残業時間は月4時間減ったとしている。

社長自らが陣頭指揮をとって
会社全体で制度導入を進めた成功例のひとつだ。

しかし、同社はいまだ1人当たりの残業時間は月約45時間と、
長時間労働が是正されたわけではない。

一方、小回りが利く中小零細、ベンチャー企業や
NPO(民間の非営利組織)法人の中には、
成果を上げている例がある。

業務のやり方を見直し、
時間ではなく成果で評価される社風を作ることで、
労働時間を短縮させているのだ。

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たとえば、病児保育事業などを手掛ける
NPO法人フローレンスでは
「働き方革命」と称した業務改善を行った結果、
1日当たりの平均残業時間が15分にまで減少できた。

1つの仕事を2人で担当することを原則としたことで、
一人ひとりバラバラで動く非効率な仕事のやり方がなくなり、
結果的にすべての業務がマニュアル化された。

また、残業が発生するのは、
直属の管理職が適切な業務配分ができていないため
と認識されるようになった。

効率化ばかりではなく、
毎日の昼礼で社内のコミュニケーションもとれている。

ルーティンワークを外注任せに
化粧品の通信販売を手掛ける
(株)ランクアップ( 設立: 平成17年6月)は、
約40人の社員全員が毎日17時に帰る。

社員一人ひとりが自分の仕事を
「不要な業務」
「自分より人に任せる業務」
「自分がすべき業務」 に振り分け、自分がやるべき仕事だけに集中させている。

この会社は
ルーティンワーク
●誰でもできる作業
●手順、手続きが決まりきった作業
●特別な専門能力を必要としない作業
●創意工夫の必要ない作業
は基本的に外注に任せている。

経理部長もいない。

外注先を集めた定例会議を行っているため、
細かいことは社員を通さなくても
外注先同士で決めることができる。

社員には業務内容ではなく使命を言い渡すことで、
誰もが自分の裁量で仕事ができるようにした。

社長は
「うちの社員は全員、
何のためにその仕事をしていて、
会社にどう貢献しているのか即答できます」
と胸を張る。

その結果、社員から次々と新しい企画が提案され、
いくつもの新事業が生まれつつある。

日本の「少子化社会対策」の一環としての、
長時間労働防止策だけでなく
、各企業が女性を含む優秀な人材を確保するためにも、
長時間労働の是正は喫緊の課題だ。

それが今苦しんでいるサラリーマンを少しでも助けることにもなるし、
ひいては企業の成長につながるのではないか。

長時間残業をたくみに利用して、
労働搾取で利益を得ようとする経営者を撲滅する
社会の潮流ができることを切望する。

なお、味の素(株)は2016年3月に労働時間を
7時間35分とすることを労使交渉で決定したと
メディアは伝えている。

大手企業としては事実上初となる
8時間を25分切る所定労働時間となり、
残業時間が増加傾向にある日本の労働環境に一石を投じた。

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